イランのテヘランで40年ほど前に手に入れた、銅製の細長首の水差し、あるいは、花瓶です。テヘランのバザールなど、銅細工職人が特性のノミと打ち具で、銅の板に典型的なペルシャ模様の花や鳥などのモチーフを刻んでいます。本品の主な部分（太い下の部分）には、茎から花と葉を描いたモチーフと丸まって繋がる蔓と蔓から出た葉と思われるモチーフを刻み、細い部分にも蔓と蔓から出た、大きめの花を打ち出しています。底と首の部分には台形や三角に点のモチーフを描いています。　なお、とくにイラン（ペルシャ）文化圏では、花の咲いた植物は、地下、地上、天界を繫ぐ「命の樹」を示し、蔓は地を這うことで多産を示します。銅器具にも典型的なモチーフが描かれていると見なすことができそうです。　自宅で長い間、飾り棚に置いておりましたので、経年の劣化もありますが、逆に、時の経緯を経て民芸風のよさも維持しています。趣のある小さな飾り家具としてでも使用していただければと思います。側面などに若干、小さな黒ずみ部分、また、底には銅器特有の緑青などが見られます。底は少し磨いて、銅の色などを確認しています。なお、当方が旅行中の場合は、送付が少し遅れます。よろしくお願いしたします。　高さ約43㌢　底部直径　約15㌢、口部直径　約8㌢　重さ　約800㌘